用語解説
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嫌気性:酸素にふれると死んでしまう性質.酸素は生体内でラジカルを生成します.ラジカルは,自動的に他の物質を酸化してゆくので細胞膜の脂質であるとか染色体の核酸やいろいろなタンパク質などが酸化変成してしまい生命活動を危機に陥れます.空気の下で生活している生き物には,この酸素の害を取り除く酵素が備わっています.カタラーゼ・ペルオキシダーゼ・スーパーオキサイドジスムターゼです.嫌気性生物にはこうした酵素が全くないか不完全にしか装備されていません.そのため酸素の害に耐えられないのです.

セルロゾーム:複数のセルラーゼが一つのタンパク質に結合して,巨大なタンパク複合体を形成したもの.セルロースを分解する微生物の膜表面に分布し,効率よくセルロースを分解する.より詳しい解説は、三重大学苅田先生にお願いします。

G+C含量:遺伝子DNAに含まれる塩基の割合が生き物によって異なることが知られています.細菌のように小さな生き物を形態によって正確に分類するのがなかなか難しいので,糖の利用性や発酵産物,膜の脂肪酸組成であるとかDNAの制限酵素による消化のされかた(RFLP)などの客観的指標で分類することがおこなわれます.DNA塩基の割合もそのひとつの手段です.

反すう胃:反すう(食べたものを吐き戻して噛み直すこと)をする動物は,胃袋がいくつかのコンパートメントに分かれています.ウシやヒツジ,シカなどでは明瞭な4つの部分に分けることができます.ラクダ類,カバも胃袋を複数の部分に区分することができます.はじめの袋には消化腺がないので動物自身の力で消化することはありませんが,そこにはものすごい数の微生物が棲みついており,動物の食べた餌を分解しています.ここには,酸素がないので,嫌気環境とよばれます.棲んでいる微生物も大半のものは空気に触れると酸素の毒で死んでしまいます.植物を嫌気的に分解すると,有機酸とガスが発生します.これを発酵といいます.おもに酢酸・プロピオン酸・酪酸・二酸化炭素・メタンなどが生成します.生じた有機酸は,胃袋の壁から吸収されて栄養分として利用されます.メタンガスなどはゲップになって外に捨てられます.反すう動物では,食べた餌に含まれる糖質は発酵作用を受けて有機酸になってしまうので,人間のようにグルコースを主たるエネルギー源とするかわりに有機酸をエネルギー源にしています.ここでいう糖質とはもちろん人間でも利用のできるデンプンのようなものも含まれますが,おもにセルロースやキシランなど,人では分解利用のほとんどできない多糖のことです.反すう胃には,こうした多糖を分解する力を持った微生物が多数棲息しています.

ヒドロゲノゾーム:水素を生成する嫌気性真核生物に特有の水素生成小器官.ヒドロゲナーゼという酵素を含む.電子をプロトンに渡しプロトンを還元することで水素をつくる.酸素にきわめて感受性の高い電子伝達物質を含むため嫌気条件でないと機能しない.その起源について,ミトコンドリアと同様,ある種の細菌が別の細胞内に潜り込み同化されたと考えられている.

鞭毛菌類:下等菌類.運動性のある胞子(遊走子)を形成する.好気性のものは水中に棲息する.嫌気性のものは,草食動物の消化管内に棲息する.

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