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  <TITLE>digital</TITLE>
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<BODY>

<P><CENTER><TABLE BORDER="8" CELLSPACING="2" CELLPADDING="0"
WIDTH="569" HEIGHT="60">
  <tbody>
  <TR>
    <TD>
    <B><FONT COLOR="#005500" SIZE="+2">緑の役割に関して発表した論評など</FONT></B></TD>
  </TR></tbody>
</TABLE></CENTER></P>

<P><B><STRONG><FONT COLOR="#008000" SIZE="+1">　　　　　　　　　●　花と緑のある生活・術<BR>
　　　　　　　　　　１．緑の必要性の本質論　−人はなぜ花と緑で安らぎ，癒されるのか−<BR>
</FONT></STRONG>
　 技術教室2000年6月号<BR>
</B></P>

<PRE>　「ガーデニング」が1998年の流行語に選ばれたことは記憶に新しい。たしかにガーデニングはブームの様相
を呈しており，書店に園芸の平積みコーナーが登場したり，テレビのガーデニング番組が急増したりした。ブ
ームの常で，今や，ガーデニングブームにもかげりが見えているとの指摘もあるが，ガーデニングに取り組む
人の数は明らか増加したのである。人々をガーデニングに駆り立てるのはなにか。その背景にバブル崩壊後の
不景気があるという人もいる。確かに，安上がりの「レジャー」，「レクリエーション」としてガーデニング
を位置づけることは可能である。しかし，一方，人々のガーデニング志向はもう少し根元的なところに端を発
していると考えることもできる。すなわち，ガーデニングが，植物と土に触れる作業をともなうという視点か
らの説明である。欧米人と日本人を比較するときに，狩猟の民と耕作の民という捉え方をすることがある。日
本人は古い祖先の時代から，土に植物を植えて生活の糧を得てきた原体験を持っている。そして，農家人口の
統計が集計されはじめた，つい50年前には，日本は農家人口が国民の45％を占める農業国であった。多くの日
本人が住まいの周辺の田畑で働き，裏山で燃料を集める生活の延長線上で生き続けてきたのである。このよう
な生産の場としての田畑と裏山などのある農業空間は里山と呼ばれ注目を集めている。しかし，農家人口の割
合は1980年に20％を，1997年には10％を切った。今や人口は都市に集中し，原風景に日常的に触れることので
きる日本人は極めてわずかである。時折，週末などに出かけた里山で，身近な野草や木々の緑と小鳥のさえず
り，土の手触りとぬくもりなどといった常套句で表される身近な自然に身を置いて，人々は安らぎを感じてい
るのではないだろうか。近年，この里山も人々の関心を引きつけるようになり，静かな里山ブームが訪れてい
る。都会人の脳裏に，農耕時代の風景が原風景として思い起こされ，里山ブームに繋がっていると理解すると
思考の流れが通りやすい。そして，人口周密の都市に住みつつ，安らぎの素である花と緑を身近におきたいと
いう都会人の気持ちがガーデニングブームの引き金となっているのだと，これが，私のややせっかちで短絡的
な現段階の理解である。
　しかし，本当に人は花と緑に触れあうことで安らぎを得るのだろうか。もし，そうなら，それはなぜなのだ
ろうか。いくつかの研究事例をもとに考えてみたい。

<B>安らぎ</B>
<B></B>
　都市の商業空間では，鉢植えの観葉植物をよく見かける。コンクリートやスティール，ガラスなどの無機物
に取り囲まれた環境で，申し訳程度に置かれたこれらの緑にどんな意義があるのだろうか。私は10年ほど前に，
大阪市のショッピングセンターや地下街の衣料品店を対象に，このような観葉植物（インテリアグリーン，以
下，IG）についてのアンケート調査を行った。予備調査で，同じ衣料品点でも，IGが置かれている店と置かれ
ていない店舗があることが分かったので，それぞれに向けて設問を用意した。IGの置かれている店で，その目
的は商品や店舗のイメージアップなど，販売促進に繋がるものが70%と主要で，店員や客の安らぎというのは
20%強であった。実際に販売促進に効果があるという答えも50%ほど得られたが，IGがあると安らぐという回答
はそれを上回り，75%という高率であった。他方，IGを置いていない店舗では，スペースの都合で置かないもの
の他，無機的なイメージを大切にしている店舗も少なくなかった。それらIGの無い店舗の中で，今後，IGを置
いてみたいという店舗が25%見いだされた。その置きたいという理由，すなわち，IGを置く目的は販売促進が
18%に過ぎなかったのに，安らぎのためが55%の高率を占めた。すでにIGを置いている店舗の場合と結果が逆転
しているのである。実際，IGを意識的に置いていないと答えた店舗を詳細に見ると，棚の下やレジ台の裏など
に小さな鉢植えが見えたりする。従業員が買い求めてきて置いたものだという。IGを置いている店舗で，植物
の管理が面倒という答えは皆無に近く，気分転換になるとの答えが多数を占めた。無機的な商業空間で生活を
送る人達は緑を渇望していたのだった。それまで，都市に持ち込まれる緑は大自然に比べて本物らしくない，
という気持ちを抱いていた私は，この時，大きな教訓を得た。都市空間にあるどんな緑も重要
であり，無くしてよいものなどひとつもないのだと。

<B>癒し</B>
<B></B>
　イラクのシャニダールの洞窟からネアンデルタール人の遺体が一体発見された。その遺体周辺の土の中から
植物の花粉が発見され，何種類もの草花が見いだされた。その時代にすでに，人は死人に花を手向けて魂を
慰める習慣を持っていたことが明らかにされたのである。病気見舞いに果物と並んで花が用いられる。見舞い
は病人を慰めると同時に回復を願ってのものであろう。アメリカのペンシルバニアにある病院での調査は，花
と同様生きた植物である木々の緑が病気の回復に効果を持つという事実を明らかにした。今はテキサスA&amp;M大
学に勤めるR.S.アルリッチ教授は，胆嚢の摘出手術を受けた患者を，手術後に寝たまま窓から落葉樹の見える
患者（緑グループ）とレンガ塀しか見えないグループ（レンガグループ）に分けた。その際，性別，年齢，喫
煙の有無などで同等な23組とした。カルテを丹念に調べた結果，術後2〜5日の間，緑グループはレンガグルー
プより鎮痛剤の要求回数が統計的に有意に少なかった。そして，さらに，退院までの日数も有意に1日短かかっ
たのである。アメリカの科学雑誌サイエンスに載ったこの論文は広く注目を集め，医学関係団体の賞を受賞し
た。ある日本の科学雑誌は，この論文をオー・ヘンリーの小説「最後の一葉」と関連づけて紹介した。一昨年，
アルリッチ教授が学術振興会の招聘研究者としてわが国を訪れた。苔寺の緑を前にして感嘆と賞賛の言葉を惜
しまなかった彼は，筆者の大学で開催した講演会で，花と緑の環境がストレス軽減や心の安らぎをもたらすと
いう多くの研究成果を紹介してくれた。そして，彼自身が最近行ったCGを駆使した仮想実験では，通勤途上に
道路脇に緑のある景観が見える場合は，通勤途上のストレスが軽減され，職場に着いてからの仕事の疲れも少
なくなることが分かったと報告した。今や，緑の安らぎ効果を示す実験事例は数多く報告されているが，今回
のアルリッチ教授の実験結果は，現実の都市計画のあり方にも大きな示唆を与えるものとなっている。

　　では，なぜ，人は花や緑で安らぎを得，心や体の傷を癒すことができるのだろうか。

<B>太古に刷り込まれたヒト共通の原風景</B>
<B></B>
<B>　</B>ドイツ，チュービンゲン大学の哲学教授であった，故O.F.ボルノーは，自然を失った都会人は，無機的な環
境で働き，人間関係にもさいなまれて疲弊している，その都会人も家庭に帰り，庭の緑に触れることによって
リフレッシュすることができるという。かつて，人は自然の中に生き，植物の芽吹き，開花，落葉，動物の誕
生，さえずりなど，自然のリズムと同調して生きてきた。その自然のリズムが体内に宿っていて，身近な自然
の中で示される自然のリズムに同調することで，そのリズムを体得し，リフレッシュすることができるという
のである。そのため，身近な自然としての庭や公園，街路樹の存在は現代人が人間らしく生きるために不可欠
であるとボルノー教授は説いた。上に見たアルリッチ教授の実験結果はこの考えを科学的に裏付けるものとな
った。一方，品田穣氏は，日本人学生とインドネシアの留学生を常緑樹の森や落葉樹の林，草原などに伴い，
安らぎ感などを調査した。その結果，これらの学生達が共通して，常緑樹の森よりも，前が開けた明るい緑の
空間でもっとも安らぎを感じると答えたという。原風景や身近な自然の形態を異にして育った学生達が安らぎ
空間の評価基準を一にするという点で興味深い結果といえよう。上に現代日本人の原風景を見たが，ここでは，
さらに遠い，数百万年もの昔に地上に降りたヒトの原風景を見る思いである。

　以下，一部省略</PRE>

<P>写真キャプション<BR>
スギ林と田畑の中に建ち，庭のシダレサクラに包まれた里山の農家<BR>
日比谷公園はわが国最初の近代公園で都心の緑の拠点となっている<BR>
<BR>
<BR>
<BR>
　　　　　　　　　　　<B><STRONG><FONT COLOR="#008000" SIZE="+1">●　花と緑のある生活・術<BR>
　　　　　　　　　　　２．生活環境の改善　−環境共生の一側面−</FONT></STRONG><BR>
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　技術教室2000年7月号</B><BR>
　</P>

<PRE>前回は植物の精神面への効用について触れた。今回は植物の物理的効用の視点から微気象の調節を取り上げ
る。

<B>微気象の調節</B>

　微気象とは，身の周りのごく狭い範囲の気象を指す言葉であり，室内や住宅周りの温度や湿度などを思い描
くことができる。人の生活周りの気象のあり方は，住み心地の善し悪しを決定付け，安らぎ感にも大きな影響
を持つ。特にわが国の夏に私たちは熱帯並みの高温を経験する。近年は，暑さから逃れるために，部屋を閉め
きってクーラーを利かせるというのが，夏のお定まりのライフスタイルらしい。しかし，化石エネルギーの有
限性への懸念や自然志向から，このようなライフスタイルに疑問をもつ人々の数は増加しているように思える。
そこで，植物によって温度の上昇を防いだり低減したりする環境共生の方法が試みられる。植物の葉の裏や表
には気孔があり，ここを通って光合成に使われるCO2が植物の体内に入る。その他にも，植物体内の水が気体に
姿を変えて，植物から排出される。これが蒸散と呼ばれる植物の生理機能である。一般に，水が気体になるに
は，1ｇ当たり約539カロリーのエネルギーを必要とする。葉の温度のことを葉温と呼ぶが，蒸散によって葉の
の水が水蒸気の形で出ていくと，葉の熱エネルギーが奪われ葉温が下がる。夏の炎天下に石や枯れ枝に太陽の
当たるとそれらの温度は上昇し50℃を越える。しかし，健全に成長している植物では，光が当たっていても蒸
散が活発に行われて熱エネルギーを奪うので葉温を下げることができる。したがって，葉は煮えたぎるような
高温には達しないのである。暑い日差しを避けて木陰に入るとひんやりとした感触を味わうことができるのは
，太陽光の遮断に加えて，蒸散による熱エネルギーの収奪があり，周りより温度の低い温度域が形成されてい
るからである。これが，微気象の調整ということになる。

<B>壁面緑化</B>

　では，住まいの内外で，この植物の微気象調節機能を利用するにはどうすればいいのだろうか。 かつての
木と土と紙の家に加えて，外壁がコンクリートで作られタイルなどで覆われている住宅が一般化している。西
日が当たると住宅の壁がその熱を吸収する。これが壁面の焼け込みと呼ばれる現象であり，壁はその熱をより
温度の低い室内に放出して，外気温よりも温度の高い室内環境が作り出される。そして，その室内の温度を下
げるためにクーラーがフル運転し，電力消費が上がるという図式ができあがる。植物による被覆によって，こ
の壁の焼け込みを防止しようとするのが，壁面緑化による省エネ冷房の発想である。現実に，ツタなどでコン
クリート壁を覆うと，ツタの覆いが無い壁に比べ，壁表面の温度が10℃前後低くなるという実験結果がいくつ
も報告されている。筆者は以前，壁面緑化に利用されるオオイタビというつる性植物の利用実態調査をしたこ
とがある。
　宮崎県の平屋の民家のコンクリート壁をオオイタビが全面被覆していたので，その家の住民に理由を尋ねた
ところ，コンクリート壁の焼け込みがひどいので，オオイタビを利用したとのことであった。体感として，被
覆前よりずいぶん暑さが和らいだとの回答があった。また，庭のある住宅でも，その外周をブロック塀で囲う
と，ブロック塀の焼け込みが起こる。塀に蓄積された熱エネルギーは庭の内外に放射される。狭い庭で，緑が
少ないと，この熱量も無視できない。庭に出て熱気を感じるようでは，風流すら感じられない。住まいの外周
を覆うのなら，生け垣を育てるのが好ましいし，すでに，ブロック塀などがある場合にはその外周をつる植物
などで覆うと，焼け込みが防止できる。敷地の周囲に，塀ではなくフェンスを巡らしている場合でも，このフ
ェンスにつる植物を絡ませると，生け垣と同様の効果が期待できる。

<B>つる植物の特性</B>

　つる植物とひとまとめに書いたが，実は壁面のカバーとフェンスのカバーでは使えるつる植物が異なる。そ
れはつる植物の生育特性によるのである。本来つる植物とは，自らの体を支える剛直な構造を持っていない。
スギのような樹木やヒマワリのような草本植物では，幹や茎に自らの重みを支えることのできる支持組織を備
えている。つる植物もその幹や茎に同様に強靱な組織を備えてはいるが，それは曲げや引っ張りに柔軟に対応
する強靱さで，垂直方向に自らを支える剛直さではない。そのため，つる植物は自らの体の伸長方向を他の植
物などの支持物にゆだねているのである。その際に単に寄りかかるだけでは強風や雨，雪などによって支持物
から離脱する危険もある。そこで，様々な「取り付き」の方法が「考案」されている。その方法がつる植物の
生育特性となるのである。

<B>つる植物の壁面への利用</B>

　壁面に利用できるつる植物は，何らかの方法で壁面などの支持物に付着できる植物である。支持物に付着す
る方法は二つある。一つは巻ひげの先にある吸盤で付着する方法で，他の一つは地上にある茎や枝から出る根，
すなわち気根による吸着である。
吸盤によって付着するつる植物には，わが国に自生するツタ（ナツヅタ）や北アメリカ大陸原産の外来植物ビ
グノニアなどがある。ツタはブドウ科に属し，性質はよく似ている。秋にはブドウ同様，葉の付け根（葉腋）
に，たくさんの花を付ける房（花序）を出し，やがてそれぞれの花のあとに黒い果実が実り，小型のブドウの
房に見える。この花が付く葉腋と同じ葉腋から伸び出す若い枝に巻ひげが生じる。ツタの巻ひげは枝の変形し
たもので，若い枝の葉腋に生じて葉の反対側の方向に伸びる。巻ひげは5〜6本に枝分かれし，その先端が球状
にふくらむ。このふくらみが樹皮やコンクリート壁などに触れると，円盤状に広がって付着する。この付着物
質が細胞から侵出するムコ多糖類と呼ばれる糊物質であることが，アメリカの研究者によって明らかにされて
いる。だから，ツタはガラスの表面にも付着することができる。
　気根を出すつる植物にはキヅタやテイカカヅラ，オオイタビ，ツルマサキ，ノウゼンカヅラなどがある。前
4者はわが国原産で，ノウゼンカヅラは北アメリカの原産である。これらのつる植物では枝が伸び出して，壁
面や他の樹木の幹などに触れると，枝の葉腋より少し下がった部分から気根を出す。気根はコンクリート壁面
などの多孔質な表面に触れると表層の組織がその孔隙部分に入り込んで「吸着」するのである。だから，ガラ
ス面に触れた場合にも気根を出すことがあるが，吸着することはない。また，コンクリート壁面でも，表面に
合成樹脂などが加工されて孔隙を埋めている場合は吸着力が弱くなる。筆者は，高さ10mのコンクリート壁面
を被覆していたヘデラ・ヘリックス（ヨーロッパ原産のキヅタの仲間）が台風の強風と豪雨で一夜にしてはげ
落ちた現場を目撃したことがある。

<B>フェンスを覆うつる植物</B>

　ツタやキヅタオオイタビなど付着や吸着で壁面を覆う植物をフェンスに利用することが得策でないことは，
これらの植物の特性から自明のことであろう。フェンスには巻き付くタイプのつる植物が利用できる。たとえ
ば，アケビやムベ，サネカヅラ，カロライナジャスミン，スイカヅラ，フジ，トケイソウ，クレマチス類など
多くのつる植物がフェンスに利用できる。ただし，植物によって巻き付く器官が異なることは理解しておいて
もよい。上に上げたフジまでは茎，枝が巻き付くが，トケイソウは巻ひげを出して巻き付く。もちろん付着す
るツタやビグノニアも巻き付くことができる。だが，少なくともツタは壁面の利用により適している。最後に
あげたクレマチス類の多くは，1枚の葉がいくつかの小さい葉（小葉）からなっていてその小葉の基部の長い柄
（葉柄，正確には小葉柄）が支持物に巻き付くという少々変わった性質を持っている。つる植物の多くは，挿し
木で簡単に殖やすことができるが，いざというときには間に合わないこともあるだろう。入手後すぐに植え付け
られるポット育苗苗を入手するのが効率的だろう。最近のホームセンターやガーデンセンターではかなりの種類
をそろえることができる。それでもなければ，園芸雑誌に掲載されている通信販売の広告やその種苗会社に連絡
をとるとよいだろう。

<B>壁面緑化効果の試算</B>

　東京都23区の緑化可能な壁面をすべて緑化すると，電力料金換算で1日に1億3千万円余の節約になるとの試算もあり，
壁面緑化は今後ますます注目を集めそうである。</PRE>

<P><BR>
写真1　コンクリート造りの小学校を覆い尽くすツタ<BR>
写真2　塗装面に付着直前のツタの若い巻ひげと吸盤<BR>
写真3　茎の巻き付きでフェンスを覆うカロライナジャスミン<BR>
</P>

<P><B><STRONG><FONT COLOR="#005500" SIZE="+1">●園芸療法</FONT></STRONG></B></P>

<P><B><FONT SIZE="-1">　　 京都新聞1998.3.13朝刊</FONT></B></P>

<PRE><STRONG><FONT COLOR="#000099">　一雨ごとに気温が上がり，木々の芽吹きと開花に心がときめく季節を迎えようとしている。その花</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">と緑が病んだ心と体にも安らぎを与えることは想像に難くない。その視点から，近年，人々の関心を</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">引くようになってきたのが園芸療法（Horticultural</FONT></STRONG> <STRONG><FONT COLOR="#000099">therapy）である。園芸療法の先進国はアメリカ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">とイギリスであるといわれているが，わが国の関係者の間ではアメリカへの関心が高いようだ。その</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">背景には園芸療法の学位（学士，修士）を授与できる大学（カンザス州立大学）と園芸療法士の資格</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">を認定するAHTA（アメリカ園芸療法協会）の存在がある。いずれも世界に先駆けての老舗である。わ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">が国の関係者は，米英などの園芸療法先進国を見習い，導入のための努力を重ねてきている。ところ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">で，後に紹介する松尾教授が園芸・造園業界誌に「最近，--園芸療法，ホルトセラピー---などという</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">言葉にたまにお目にかかれるようになった」と記したのが1991年末であり，わが国への導入が試みは</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">じめられたのは1992年末である。その後，わずか5年ほどの間に園芸療法という言葉は園芸，造園，そ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">して医療関係者の間に急速に広まってしまった。すでに，主だって活動している団体だけでも，園芸</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">セラピー研究会，園芸療法研修会，日本園芸療法研究会などがあり，それぞれ海外研修や講演会，出</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">版，あるいは園芸療法の実践など独自の活動を行っている。まさにブームともいえる盛り上がりであ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">るが，問題点も指摘されはじめている。例えば，それぞれの団体が独自に活動しているがゆえに，相</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">互の連携活動が希薄になっているとの心配がある。また，園芸療法の定義についても各団体や，関心</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">を持つ人々の間での合意は得られていない。</FONT></STRONG>

<STRONG><FONT COLOR="#000099">　九州大学の松尾英輔教授はわが国でもっとも古くから植物と人間の関わりについて関心を寄せてい</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">た一人である。主としてアメリカでの研究成果や研究者の紹介につとめ，みずからも研究成果を内外</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">の学会に発表し，園芸療法の紹介にもはやくから心を配っていた。その松尾教授が用語をめぐる合意</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">のない現状を憂慮し，綿密な文献的調査を経た上で，園芸療法の定義を試みている（グリーン情報，</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">'97年1月号）。紙幅の制限で全文を紹介することはできないが，要点をまとめると次のようになる。</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">「療法を受ける対象者の症状を正確に見極め，その症状の治療などに適用すべきであると判断して園</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">芸作業が選択・適用された場合に，それを園芸療法とよぶ」。また，アメリカで2年間，園芸療法の研</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">修を受けて帰国し，福祉施設での園芸療法の実践を通じて園芸療法への理解を深めようとしている澤</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">田みどり氏の次の言葉は，形の上での模倣や導入が先行しがちなわが国の園芸療法の問題点を鋭く浮</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">かび上がらせている。「---高齢者が庭仕事をすること，障害者が地域住民と花壇づくりをすることす</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">なわち園芸療法と考えたり，---園芸が参加しやすい媒体であるために&quot;誰にでもできる&quot;という発想で</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">安易に園芸療法という言葉を利用していることは否めない。園芸療法は人を癒すためのものであり，</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">ビジネスや政策のための手段として何らかの利益を求めるものとはなり得ないが，その傾向もみられ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">る」（園芸学会平成9年度秋季大会シンポジューム要旨）。療法に園芸が有効な場合があることは米英</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">で証明され，実践の成果も数多い。わが国でも園芸を療法に取り入れることが有益であることは間違</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">いない。今，必要なのは園芸療法の正確な理解と普及のための関係者の協力共同，そして，実践に携</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">われる人材の養成に向けた真摯な努力である。</FONT></STRONG>

<STRONG><FONT COLOR="#000099">　ところで，植物が人の心理や生理に与える影響を調査し，記録に残すことも園芸療法の導入・普及</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">のためにも重要である。「植物と人間の関係」についての研究はアメリカを中心に精力的に行われて</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">きた。一例をあげよう。ペンシルバニア州郊外の病院で１０年の間に胆嚢の摘出手術を受けた患者を，</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">カルテをもとに年令や体重，性別などが均等になるようにして，一方はベッドに寝たまま病窓から落</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">葉樹の緑が見え，他方はレンガ塀しか見えない２つのグループに分けて調査した。驚くべきことに，</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">落葉樹が見えるグループは窓の外が眺められるようになる術後２〜５日の鎮痛剤要求度がレンガ塀し</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">か見えない患者よりも低く，退院も１日早かったのである。科学雑誌サイエンス掲載のこの論文はＯ．</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">ヘンリーの「最後の一葉」を想起させ，多くの研究者を驚愕させた。この論文を発表したテキサスA&amp;M</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">大学のR.S.アルリッチ教授が松尾教授の申請した文部省学術振興会の外国人研究者招聘事業でわが国</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">を訪れている。筆者の勤務する京都府立大学でも講演会を開催することとなった。目に見える緑が人</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">の心と体を回復させるという数多くの研究報告を中心に緑の効用を語ってくれる予定である。園芸療</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">法のみならず，都市緑化やガーデニングなど植物と人の関わりに関心を持つ人に有益な機会となるこ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">とを期待したい。</FONT></STRONG>


<B><STRONG><FONT COLOR="#008000" SIZE="+1">●　緑の必要性と都市緑化施策の課題</FONT></STRONG></B>
<STRONG>　　　　毎日新聞1994.9.3朝刊「世の中探見」花と緑の社会学@</STRONG>

<STRONG><FONT COLOR="#000099">　「国民は緑に飢えている」。花博閉幕から１年後，こんなショッキングな見出しが業界紙面トップ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">を飾った。記事内容は，総理府による「都市緑化に関する世論調査」で，’８３年調査に比べ，緑が</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">減ったとする回答が１．３倍に増え，一方，緑が増えたの回答が３分の２に減ったことを報じている。</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">ところで，飢えが高じるとやがて死に至る。緑に対する飢えも人の生命を左右するのだろうか。二酸</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">化炭素の吸収や緑陰の提供など，よく知られた役割以外に緑のもつ重要な意義を考えたい。</FONT></STRONG>

<STRONG><FONT COLOR="#000099">　右の世論調査には，国民は緑の減少認識を反映して，現在ある緑をすべて保全し，さらに身の回り</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">のあらゆる場所の緑を増やしたいという強い要望が示されている。これらの結果から，飢えていると</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">の表現が決して誇張ではないことが分る。</FONT></STRONG>

<STRONG><FONT COLOR="#000099">　なぜ，人は緑に飢えるのか。ここ１０年ほどの間，緑が人の生活に与える影響を知るためのデータ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">の集積がアメリカの研究者を中心に行われてきた。いくつかの事例を紹介しながら花と緑の役割を掘</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">り下げてみたい。　ペンシルバニア州郊外の病院で１０年の間に胆嚢の摘出手術を受けた患者を，カ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">ルテをもとに２つのグループに分けて比較した。一方は病窓からの景色が落葉樹の緑，他方はレンガ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">塀のみという違いはあるが，その他は年令や体重，性別，喫煙の有無などが均等になるようにした２</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">３人ずつのグループである。驚くべきことに，落葉樹が見えるグループは窓の外が眺められるように</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">なる術後２〜５日の間の鎮痛剤の要求度がレンガ塀しか見えない患者よりも低く，退院も術後７．９</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">６日目で１日早かった。これらの差は統計的に有意であった。科学雑誌サイエンスにこの論文を載せ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">たデラウェアー大学のウルリッヒは，結果をただちに一般化することはできないが，病窓から見える</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">景観に考慮した病院建設が望まれると結んでいる。この結果は，Ｏ．ヘンリーの「最後の一葉」を想</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">起させる。</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">　刑務所内の囚人の調査でも，近くの農場や森の見えるグループは，植物のない刑務所の庭，建物，</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">塀しか見えないグループより医者へかかる頻度が少なかったという。植物は労働によるストレスの軽</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">減にも効果を持つ。国内の研究でも，ビーズを糸に通す作業は室内に観葉植物がある方が効率が高く，</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">植物の存在が疲労を軽くし，疲労からの回復を早めることを示した。宇宙船内をシミュレートした環</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">境でも，サバンナの風景画が生理的ストレス減少に効果があると報告されるなど，８０年以降，同様</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">の研究成果が数多く発表されるようになっている。</FONT></STRONG>

<STRONG><FONT COLOR="#000099">　植物の栽培管理を手段として精神的肉体的障害を軽減あるいは治療するホーティカルチュラルセラ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">ピーは，このような研究成果を背景に欧米での取り組みが活発となり，わが国でも園芸療法という言</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">葉と内容の紹介が行われるようになってきた。特に，「健やかな生活と美しい環境を創る園芸」をテ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">ーマとして８月の末に京都で開催された国際園芸学会議を機に，花と緑が人間生活に及ぼす影響を考</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">えるための催しが幅広く取り組まれている。わが国の園芸学会の中にあった，園芸の生産技術以外の</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">側面を軽視する潮流に変化を見て取ることができるのは悦ばしいことである。しかし，花と緑が人の</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">生活に好ましい影響を与える事例の詳細なデータの蓄積と仕組の解明は十分ではない。そのため，国</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">内でも園芸学のみならず，多方面の学問領域の協力共同による研究の推進が重要な課題となる。</FONT></STRONG>

<STRONG><FONT COLOR="#000099">  ’８６年に最後の来日を果したチュービンゲン大学名誉教授Ｏ．Ｆ．ボルノーは，人間の本質を見</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">つめる哲学の分野から次のような答えを示した。現代社会に働く都会人は労働のストレスで疲弊して</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">いるが，かつて人間がその一員であった自然の中で示される四季の変化，自然のリズムに触れること</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">ができれば，自らの身体に備った自然のリズムを呼び戻し，硬直したストレス状態から回復して人間</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">性を回復することができるのだと（世界，’８６年９月号）。そして，今後，都市環境が自然のリズ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">ムを刻む自然の緑を提供できないところにまで無機化してしまえば，人間の健全な発展は望めないと</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">も述べている。身近な緑は住いを包む庭に求められるが，庭を持たない多くの都会人には，花と緑の</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">生きづく公園や緑の施設が身近に準備されることが重要である。テーマパークの推進や公園内施設の</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">建ぺい率緩和は公園の無機化を推進することになり，「潤いのある都市作り」には逆行する施策であ</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">る。アメリカに典型の巨大都市の病理を追尾しないためにも，緑の効用を深く洞察した都市緑化施策</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">が求められるのである。</FONT></STRONG>

<STRONG><FONT COLOR="#000099">　また，花と緑は住いや住区のステータスを高めるという調査結果もある。外観のみならず，住人の</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">健やかさをも反映したものであろう。ボルノーは人間の身体的健康と道徳的健全さに対する都市計画</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">者の責任を問うたが，国鉄跡地の商業基地化や市街化区域内農地の宅地化など，都市の収益性追求に</FONT></STRONG>
<STRONG><FONT COLOR="#000099">狂奔する施策にこそ責任が問われるのではないだろうか。</FONT></STRONG>

<STRONG>写真キャプション</STRONG>
<STRONG>巨木の枝に深緑が芽吹き，生命のリズムを伝える（京都東山区）</STRONG>
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<H4><CENTER><A HREF="http://seika.kpu.ac.jp/~simon/simon1.html"><STRONG><FONT
 SIZE="+1">下村ホームページへ</FONT></STRONG></A></CENTER></H4>

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<STRONG><HR ALIGN=LEFT></STRONG>
<STRONG><FONT SIZE="+2">｜<A HREF="http://www.kpu.ac.jp/ningen/DesignIndex.html">環境デザイン学科｜</A>
<A HREF="http://seika.kpu.ac.jp/~simon/ryoho.html">園芸療法</A>｜
<A HREF="http://seika.kpu.ac.jp/~simon/cherry99.html">ソメイヨシノの花が落ちた</A>｜</FONT></STRONG></PRE>

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